2016年8月
新住協・関西支部セミナー
高気密・高断熱住宅研究の第一人者で、新住協の代表理事である鎌田先生の研修会に参加させて頂きました。
今回は、
経産省の推進しているゼロエネルギー住宅、いわゆるZEHについての問題点をいろいろ お聞きしました。
これは、開口部の断熱性を強化、太陽電池をのせなどして計算したら補助金をもらえるというものです。
でも、問題の根源は住宅の評価を全室暖房で行っていないということ。納得!
やはりQPEXで計算して、Q1.0住宅を目指すのが間違いないですね。
書類の計算どおりに、きちっとした正しい施工を行うことがもっと大切ですが。
北海道、東北から始まった高気密・高断熱住宅も、関西以西で建てるとなると、少し状況も違って くるので、そのあたりの研究、実験が今後ますます進んでくるはずです。
夏場のこともしっかり考える必要があるのですが、充填高断熱工法で建てられた住宅は、暑さ対策にも威力を発揮し、この暑さでも、日影の涼しさが体感できます。
わたしも、数年前の猛暑の時、蔵のような室内にびっくりしたものです。
関西での施工例を増やしていきたいと強く思っています。
家づくりは何から考えればいい?
結論からいえば、どういうライフスタイルをおくりたいかの優先順位を考えることでしょうか。
その下地として、今の家づくりにまつわる状況をお知らせしたいと思います。
新築でもリノベでも一緒ですが、家づくりには三つの大きな柱があります。
耐震性という構造のこと、性能という省エネ、快適性のこと、そして家族がどう暮らしていきたいかの、夢の実現の部分。
前者ふたつは技術的なことです。いくつもの震災を経てその都度改正されている建築基準法のレベルで建てるというのは一般的ですが、耐震強度を1.5倍にしたいなどの要望はかなえられます。
わたしはコストのことも考えて、選べるならやっぱり強固な地盤が先かなと思っています。
次に快適性のこと。これは最近、高気密高断熱住宅の技術が大変進んできているので、昔に比べて木造は寒い!は過去のもの。
エアコン1台で冬も夏も快適に暮らせるようなおうちを建てることができます。
ただしこれもレベルがいろいろあります。例えば「Q1住宅」(これは断熱性能のレベル)を目指すと、家じゅうの温度差が1℃未満で大変すごしやすい家になります。
これは構造強度に比べて、特に冬場にその快適性のありがたさを肌で感じられます。
また光熱費のランニングコストもおさえることができます。
建築コストはレベルに対応して上がっていきます。
これに関して設計者は、日射の取入れ方、遮り方、また風の流れなどを考慮して開口部を考えていきます。
けれど、わたしたち設計者の一番の力のみせどころは、その家族だけのための空間の提案です。
「そんなこともできるの」と思って頂けるいろんなアイディア。
理想の家族関係をバックアップする空間構成。
住んでみて初めて感じられる心地良さなど。
たくさんの経験といっぱいのコミュニケーションでひとつひとつの答えを一緒に探し出していく。
前述の二つの技術的なことも、話し合っていく中で決まっていきます。
限られた予算をどの部分に多く割くかは千差万別。
そのご家族にとって何が一番大事なのかを将来のことも見据えて、じっくり考えることが大切です。
何工法がいいとか、このやり方しかないとか、今は情報が多すぎます。
何にでもメリット、デメリットがあり、どれを選びとっていくかは正しい知識を得た上で、自分がすまいに何を望んでいるかを確認していくことが重要です。
そんなみんなのパートナーになって、寄り添いながらオンリーワンの住宅を造っていければ、わたしたち設計者は幸せだなと思っています。
そして、出来上がったものがおしゃれで、カッコ良くなくっちゃ!(^^)!
シオジの一枚板再生
お施主さま、現場監督、大工さん、そして設計士のわたし、4人で大きなダイニングテーブルを塗っていると
ころで
す。
20年前に購入されたシオジの一枚板。
リノベーションに合わせての再生作業。
年季がはいっていましたが、大工さんがサンダーをかけてくれたら
新品になりました。

米ぬか油を一生懸命塗り込んだらさらにいい色に。
蘇りました!
やはり本物は素晴らしい。一生ものですね。
お持ちの秋岡芳夫さんの椅子と合わせると場の空気も変わります。

日本人には低めのダイニング空間が似合うように思います。
わたしはいつもテーブル高さ64cm~MAX68cmを理想にしていて、それに合わせて椅子の脚を切ったもします。
こちらの椅子は低い上に座も広く、もちろんカタチに心掴まれ、こうして近くで見ると理想の椅子だなあと、ほれぼれします。
暑さ最高潮の中、クーラーなしで仕事を終え、できあがりに皆で歓声をあげました!(^^)!

