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ディテールは楽しい!おもしろい!
わたしたちを包む空間をつくる建築。
大きなプランと共に、小さなディテールの集積が心に響いて、心地良い気分を運んでくれたり、胸をつかまれたりすることが結構ある。
こちらはプールサイドの日よけテント。
フラットな一枚ではなく、細かいピースが折り重なって日差しを遮っていて、何と
も美しい。
これ考えた人に脱帽!時間をかけてデザインしたんだろうな。
こういうのに出会うと本当に幸せになります。
こち
らは造り付けの洋服ダンス。
そのつまみがとってもかわいい。
かえるに象さん。貝もあるし。




遊び心がキラッと光っている。機能的にも優れていていて、自然と適当なところを摘まんで開けられる。
小さなところも心を込めて丁寧にデザインすると、その集まりが空間の質を変える。
わたしも細かいところにできるだけ時間をかけたいと思います。
基礎内断熱は気密施工が重要
木造リノベーションの基礎がスタイロフォームで覆われました。
今回は床下の空間が狭いこと
と、外壁をさわらないということで基礎内断熱による高気密・高断熱住宅という選択です。
ここで大切なのは断熱材の継ぎ目、土台との隙間を徹底して埋めることです。
ウレタンフォームと気密テープで密閉状態にします。
特に、設備配管の廻りは注意して塞いでいかないといけません。
外周部分全てこのような状態にして室内と同じ環境にすることで冬場の寒さを遮断します。
現場監督さんも気密測定を経験しているので、前より良い数値をめざそうと力がはいっています。

2階壁のグラスウールもはいっていきます。
出窓廻りは取付け鉄板が熱橋になっていたようで、多々結露のあとが。
めくってみて初めて分かりました。
ここは台所で湿気多かったところなので、考えられます。
周囲の鉄板にスタイロフォームを設置しました。
最後に設備屋さんを集めて、しつこいですが、もう一度目指す性能を確認しました。
新住協・関西支部セミナー
高気密・高断熱住宅研究の第一人者で、新住協の代表理事である鎌田先生の研修会に参加させて頂きました。
今回は、
経産省の推進しているゼロエネルギー住宅、いわゆるZEHについての問題点をいろいろ お聞きしました。
これは、開口部の断熱性を強化、太陽電池をのせなどして計算したら補助金をもらえるというものです。
でも、問題の根源は住宅の評価を全室暖房で行っていないということ。納得!
やはりQPEXで計算して、Q1.0住宅を目指すのが間違いないですね。
書類の計算どおりに、きちっとした正しい施工を行うことがもっと大切ですが。
北海道、東北から始まった高気密・高断熱住宅も、関西以西で建てるとなると、少し状況も違って くるので、そのあたりの研究、実験が今後ますます進んでくるはずです。
夏場のこともしっかり考える必要があるのですが、充填高断熱工法で建てられた住宅は、暑さ対策にも威力を発揮し、この暑さでも、日影の涼しさが体感できます。
わたしも、数年前の猛暑の時、蔵のような室内にびっくりしたものです。
関西での施工例を増やしていきたいと強く思っています。
家づくりは何から考えればいい?
結論からいえば、どういうライフスタイルをおくりたいかの優先順位を考えることでしょうか。
その下地として、今の家づくりにまつわる状況をお知らせしたいと思います。
新築でもリノベでも一緒ですが、家づくりには三つの大きな柱があります。
耐震性という構造のこと、性能という省エネ、快適性のこと、そして家族がどう暮らしていきたいかの、夢の実現の部分。
前者ふたつは技術的なことです。いくつもの震災を経てその都度改正されている建築基準法のレベルで建てるというのは一般的ですが、耐震強度を1.5倍にしたいなどの要望はかなえられます。
わたしはコストのことも考えて、選べるならやっぱり強固な地盤が先かなと思っています。
次に快適性のこと。これは最近、高気密高断熱住宅の技術が大変進んできているので、昔に比べて木造は寒い!は過去のもの。
エアコン1台で冬も夏も快適に暮らせるようなおうちを建てることができます。
ただしこれもレベルがいろいろあります。例えば「Q1住宅」(これは断熱性能のレベル)を目指すと、家じゅうの温度差が1℃未満で大変すごしやすい家になります。
これは構造強度に比べて、特に冬場にその快適性のありがたさを肌で感じられます。
また光熱費のランニングコストもおさえることができます。
建築コストはレベルに対応して上がっていきます。
これに関して設計者は、日射の取入れ方、遮り方、また風の流れなどを考慮して開口部を考えていきます。
けれど、わたしたち設計者の一番の力のみせどころは、その家族だけのための空間の提案です。
「そんなこともできるの」と思って頂けるいろんなアイディア。
理想の家族関係をバックアップする空間構成。
住んでみて初めて感じられる心地良さなど。
たくさんの経験といっぱいのコミュニケーションでひとつひとつの答えを一緒に探し出していく。
前述の二つの技術的なことも、話し合っていく中で決まっていきます。
限られた予算をどの部分に多く割くかは千差万別。
そのご家族にとって何が一番大事なのかを将来のことも見据えて、じっくり考えることが大切です。
何工法がいいとか、このやり方しかないとか、今は情報が多すぎます。
何にでもメリット、デメリットがあり、どれを選びとっていくかは正しい知識を得た上で、自分がすまいに何を望んでいるかを確認していくことが重要です。
そんなみんなのパートナーになって、寄り添いながらオンリーワンの住宅を造っていければ、わたしたち設計者は幸せだなと思っています。
そして、出来上がったものがおしゃれで、カッコ良くなくっちゃ!(^^)!
シオジの一枚板再生
お施主さま、現場監督、大工さん、そして設計士のわたし、4人で大きなダイニングテーブルを塗っていると
ころで
す。
20年前に購入されたシオジの一枚板。
リノベーションに合わせての再生作業。
年季がはいっていましたが、大工さんがサンダーをかけてくれたら
新品になりました。

米ぬか油を一生懸命塗り込んだらさらにいい色に。
蘇りました!
やはり本物は素晴らしい。一生ものですね。
お持ちの秋岡芳夫さんの椅子と合わせると場の空気も変わります。

日本人には低めのダイニング空間が似合うように思います。
わたしはいつもテーブル高さ64cm~MAX68cmを理想にしていて、それに合わせて椅子の脚を切ったもします。
こちらの椅子は低い上に座も広く、もちろんカタチに心掴まれ、こうして近くで見ると理想の椅子だなあと、ほれぼれします。
暑さ最高潮の中、クーラーなしで仕事を終え、できあがりに皆で歓声をあげました!(^^)!
木造住宅リノベーション解体!
今回も40坪弱の大規模リノベ―ション。
1,2階全てがらんどうにして
、耐震補強から考えていきます。
やはり、めくってみないとわからないものです。
生活している時は気づかなかった雨漏りの跡が
数か所。
原因を突き止めて対処法を考えていきます。
梁の架け方もアレッ?と思うところがいろいろあり、リフォームは現場を見て考えることがたくさんあります。
抜く柱、補強する梁など、出来上がりのデザインを考えながら、構造設計者と現場監督とで、ああできるかこうできるかとキャッチボール。
最終的にはこの時点で構造計算をしてもらいます。
高気密高断熱で自然素材でかこまれた空間目指して、冬前には完成です。楽しみ!
キッチンメーカーのカタログに載りました
昨年完成した住宅の台所が載ったカタログを、キッチンメーカーのモデーロさんが持ってきてくれました。
熟年ご夫妻のお施主さまに合う、落ち着いたカラーコーディネイトを何案もパースにしてもらい、悩んだことをも¥思い出しました。
食堂と一体になっているので、いかにもキッチンというのは避けたく、食品庫を併設して吊戸を極力減らし、手の届く部分に収納を集中させました。
またこのモデーロさんのキッチンの換気扇は、壁に目立たないスリットがあるだけなので、とってもスッキリ納まっています。
最近はこのように、みんなで手伝えるオープンなキッチンが大半になってきていますが、わたしの場合は、キッチンを家の全てが見渡せる司令塔(?)のような位置に持ってくるように設計しています。
奥様が司令塔というわけではありませんが(^_-)
里山住宅博を見学
先週は神戸の三田で開催されている里山住宅博の見学に行ってきました。
これは、「おーい、木の家」をテーマに
工務店さん22社が造った期間限定住宅展示場です。
現在半分以上が竣工されていて自由に見学ができます。
「新住協 関西」の会長ダイシンビルドの清水社長が手がけた堀部安嗣氏設計の住宅から見学スタート。
里山風景を堪能すべく、どの部屋の窓もピクチャウインドウになっていて癒されます。
高性能の木製サッシをメインの1階に使用するなど、高断熱高気密住宅にかかる費用を、建具や家具をシンプルにして、コストコントロールをしているようです。
限られた予算をどう配分していくかは、毎回かなり重要な課題で、そのご家族に寄り添って探し出していくのですが、ここは、それぞれの工務店さんが大事に思っていることをカタチにして金額も出されています。
どの住宅も省エネをテーマに、自然素材をふんだんに、また木を魅せているので、大工さん達職人さんの手が感じられました。


また、成育していく緑を考えられた外構デザインが、隣家どうしと、道路の関係を緩やかにつなげる素晴らしい街並みを造っていました。
しかもコストも考えられている!
電柱、電線だけが目障り、残念
いつも地域の工務店さんとお仕事をするので、頑張っている工務店さんのお仕事を見て、こちらも力をもらえた一日でした(^_^)v
高断熱住宅リノベーション
しばらくお休みしていたすまいのデザイン事情、再開の最初は竣工したての高断熱住宅のご紹介。今日は撮影です。
ムカデが進入してくる寒くて暗い状況を改善すべく、階段の位置をまるっきり変えてワンルームに近い大空間に変身させました
バリアフリーになり、東西南北の窓から見えるようになった緑が目にまぶしい!
耐力壁の位置を変えたので基礎も増設、金物も設置して耐震性もあげました。


下の写真は将来暖炉を設置するスペース、左手が寝室です。抜けない通し柱は籐巻で仕上げ、インテリアのポイントにしました。右の写真は玄関先から設え(ミニ床の間)を通して中をみたところです。左手は階段の踊り場になっています。気密をとるためにガラス壁になっています。


おうちまるごとの断熱気密工事、気密測定のもまずまずの結果だったので、今年の冬が楽しみです。お施主様にもお褒めの言葉を頂き、やっぱり大規模リノベーションを計画するのが大好きだとつくづく思いました。

